リーダー初心者のためのマーケティング戦略入門(第25回)〜ホワイトスペース戦略とは?(後編)~

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リーダー初心者のためのマーケティング戦略入門(第25回)
〜ホワイトスペース戦略とは?(後編)~

 

こんにちは。戦略マスター頼朝と申します。

誰もが優れたリーダーになれる!」を信念に、リーダーシップ論、マーケティング戦略、ブランディング戦略の研究と、コーチング・メソッドによるリーダーシップ指導をしております。

このブログでは、リーダー初心者の方のためのお役立ち知識を解説して参ります。

さて、今回のテーマは、前回(第24回↓)に引き続きまして「ホワイトスペース戦略とは?(後編)」です。
リーダー初心者のためのマーケティング入門(第24回) | 戦略マスター頼朝 リーダーのための勉強部屋 (sales-writing.com)

それでは早速行ってみましょう!

 

4.ビジネスモデルの基本要素とは?

ホワイトスペース戦略によるビジネスを成功させるためには、どのように新たなビジネスモデルを構築すれば良いのでしょうか?

まずは、ビジネスモデルを基本要素に分解して考えてみましょう

ホワイトスペース戦略を成功させるためには、革新的なビジネスモデルという設計図を描く必要があり、それにはビジネスモデルの構成要素に注目し、再構築しなければならないからです。

建築家やエンジニアが設計図を描くのと同じ発想です。

ホワイトスペース戦略では、ビジネスモデルの基本要素として、ビジネスモデルを「顧客価値提案」「利益方程式」「主要経営資源」「主要業務プロセス」という4つの箱に整理して考えていきます。

 4-1.顧客価値提案

顧客価値提案」とは、一定の金銭的対価と引き換えに、顧客に提供される具体的な製品やサービスのことです。

ただし、ビジネスモデルの革新と言えるには、顧客の重要な懸案を解決したり、課題を成し遂げたりするのを助けるものでなければなりません。

具体的には、懸案解決のために、あるいは課題達成のために、従来の製品やサービスよりも、有効に、あるいは確実に、便利に、安価なものである必要があります。

 

 4-2.利益方程式

利益方程式」とは、製品やサービスの回転率や利益率などの組み合わせのことです。

例えるなら、企業がどのように自社と株主のために価値をつくり出すかという会計的な青写真のようなものです。

高級寿司店と回転寿司店、あるいは百貨店とディスカウント店などにおける回転率と利益率の違いを考えてみますと、ビジネスモデルによる利益方程式の違いをイメージしやすいでしょう。

なお、具体的には、利益方程式は、収益モデルコスト構造商品やサービス一単位あたりの目標利益率経営資源の回転率の四つの変数で組み立てられます。

 

 4-3.主要経営資源

主要経営資源」とは、ビジネスで必要とされる諸要素のことで、具体的には、顧客価値提案を実現するために必要な人材、テクノロジー、商品、施設・設備、納入業者、流通経路、資金、ブランドなどのことです。

例えば、弁護士事務所や会計事務所及び経営コンサルティング会社のように専門性の高いサービスを提供するビジネスでは、有能な人材を雇用し、育成していることが主要経営資源になります。

 

 4-4.主要業務プロセス

主要業務プロセス」とは、その企業内で繰り返し行われる活動内容のことで、持続可能、再現可能、拡張可能、管理可能な形で顧客価値提案を実現するためのものをいいます。

例えば、メーカーであれば、製造過程や新製品開発のための諸活動などは、企業内で繰り返し行われる活動内容であるため、主要業務プロセスといえます。

 

 4-5.その他

4つのビジネスモデルの基本要素がバラバラに機能していては、新しいビジネスモデルを構築することができません。

基本要素を4つに分けたのは、あくまで新しいビジネスモデルを構築しやすいように分析的に考えられるようにするためです。

したがって、4つのビジネスモデルの基本要素を有機的にまとめ上げ、システム全体のバランスを保つ必要があります。

そこで、4つのビジネスモデルの基本要素のほかに、ビジネスのルール行動規範評価基準などが必要とされます

以上の4つのビジネスモデルの基本要素とその他についての理解が、次のビジネスモデル・イノベーションをどうやって起こすのかを考えるにあたって役に立つことになります。

 

5.ビジネスモデル・イノベーションを起こすには?

ビジネスモデルの革新を起こすにあたって顧客価値提案の目指すべきものは、顧客にとって重要な未解決の課題(片付けるべき仕事、用事)を解決することです。

具体的には、現状では特に不満は無いけれども、新しい製品やサービスが提供されてその重要な課題が新たに解決されるのであれば、以後その製品やサービスが顧客の標準になるようなものを顧客価値提案すべきです。

顧客は、特定の課題からくる不満や悩みを解決する仕事を成し遂げるために、その製品やサービスに対価を払っていると考えられるからです。

したがって、ビジネスモデルを革新するための顧客価値提案のポイントは、顧客がどのような商品を買いたがるのかを洞察するのではなく、その奥底にある深層心理、つまり、どのような課題を解決したいと思っているのかを洞察することです。

そして、このような顧客の深層心理を見極めるためには、顧客の行動観察調査を行うと良いでしょう。

 

 5-1.ビジネスモデルイノベーションの進め方とは?

それでは、ビジネスモデルの革新を進めるためには、具体的にどのようなステップで行えば良いのでしょうか?

ビジネスモデルの革新は、以下の3ステップで進めていくと良いでしょう。

①顧客の重要な未解決課題を調査し、その解決策を考えること

なお、未解決課題とその解決策には、製品やサービスの機能面だけでなく、情緒的、社会的な面も考慮する必要があります。

顧客は、機能面では満足していても、情緒的、社会的な面では未解決課題であることも多いからです。

②ビジネスモデルの4つの基本要素の枠組みを活用し、顧客の重要な未解決課題を解決しながら、同時に企業側の利益もあげられるような仕組みの青写真を描くこと

つまり、新たな顧客価値提案と、それを財務的に可能にする利益方程式を考えていきます

顧客価値提案と利益方程式が両立できるような仕組みでないと、そもそもビジネスモデル革新の実現可能性がないからです。

③顧客価値提案と利益方程式を現実化するために、使える主要経営資源と主要業務プロセスを確認し、足りないものについては何を準備するべきかを明らかにすること

なお、既存事業からの干渉によってビジネスモデルの革新プロセスが妨げられてはいけません。

したがって、既存企業がビジネスモデルの革新プロセスを行う場合には、既存の組織と統合するか分離するかを慎重に判断するようにしましょう。

 

 5-2.ビジネスモデルの革新プロセスを進める上での注意点とは?

人間は安定を求め、変化を嫌う生き物です。

そのため、既存企業の場合にビジネスモデルの革新プロセスを進める上で障害となるのが、社内の抵抗勢力の人たちになります。

そのため、リーダーやマーケターの方は、既存のビジネスモデルによって立つ人たちの抵抗があることを認識しておくべきです。

また、既存のルール、行動規範、評価基準などの既存のビジネスモデルがよりどころとしてきた価値観の体系こそが、新事業への進出を阻むことがあることにも注意するべきです。

 

以上、リーダーやマーケターの方は、事業の持続的な成長を図るために、ホワイトスペース戦略を活用して、ビジネスモデルの革新を図っていくことも考えていきましょう

 

最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。

次回の記事では、「リーダー初心者のためのマーケティング戦略入門(第26回)」をお届け致します。

リーダー初心者で日々のリーダーシップにお悩みの方は、ぜひ楽しみにしていて下さい。

 

<主な参考文献>

この「マーケティング戦略入門」講義ブログを書くにあたって、参考にさせて頂いたり、引用させて頂いた主な参考文献を以下の通りご紹介致します。

①から⑫へ進むほど、少しずつ説明のレベルや知識の網羅性が上がっていきます。

もっとも、①~⑧までは、どの書籍も入門レベルのものですので、あまりご心配には及びません。

実際に手に取ってみて、ご自身に合うものから読み進められると良いと思います。

ご興味をお持ちになられた方はぜひお近くの書店でお買い求めください。
(個人的にリアル書店の皆様を応援しております。)

 

①佐藤義典『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』(青春出版社、2010年)

②佐藤義典『新人OL、社長になって会社を立て直す』(青春出版社、2011年)

③中野明『14歳からのマーケティング』(SOGOHOREI、2017年)

④市川晃久『マーケティングで面白いほど売り上げが伸びる本』(あさ出版、2016年)

⑤青井倫一監修・グローバルタスクフォース㈱編著『新版 通勤大学MBA2 マーケティング』(SOGOHOREI、2013年)

⑥平野敦士カール監修『大学4年間のマーケティング見るだけノート』(宝島社、2018年)

⑦弘兼憲史・前田信弘『知識ゼロからのマーケティング入門』(幻冬舎、2009年)

⑧恩蔵直人『日経文庫 マーケティング<第2版>』(日経文庫、2019年)

⑨沼上幹『有斐閣アルマ わかりやすいマーケティング戦略〔新版〕』(有斐閣、2008年)

⑩和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦『有斐閣アルママーケティング戦略〔第5版〕』

(有斐閣、2016年)

⑪河野安彦『内閣府認定マーケティング検定2級試験公式問題集&解説 上巻2020年度版』(公益社団法人日本マーケティング協会、2020年)

⑫河野安彦『内閣府認定マーケティング検定2級試験公式問題集&解説 下巻2020年度版』(公益社団法人日本マーケティング協会、2020年)

マーケティングを全く学んだことがない方は、①・ ②と③から読み始めると良いと思います。

手っ取り早く学びたい方は、① ・②と⑥を読めばマーケティングの全体像をつかめます。

これからマーケティングを本格的に学んでいきたい方は、①・ ②と⑥を読んだ後、⑧と⑨を読んで基礎固めを行い、その後に⑩~⑫へと読み進んでいかれると良いでしょう。

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